逢いたいだとか好きだとか、ホント馬鹿みたい。
それに溶け込んでたあたしはもっと馬鹿なのかもしれない…
「面倒くさっ、」
あまりのメールの多さに思わずため息をつく。
その大きなため息が自棄に深く耳に入り込んだ。
「つか、マジで面倒くさそうだな」
不意に聞こえた笑った声。
思わず反射的に身体が飛び跳ね、フェンスに寄り掛っていた身体を離し後ろを振り向く。
小さな小屋の壁に寄り添って置いてあるベンチに寝転がった男。
「…いつから居たの?」
見ず知らずの男にそう声を掛けると男は身体を起し、金に近い髪を乱暴に掻き上げた。
「いつからってアンタが来る前から」
「うそっ…」
思わず顔を顰めてそう呟くあたし。
もう、馬鹿みたいに真剣に携帯と向き合ってる姿を見られてたなんてホント最悪。
しかも、こんなチャライ男に。