「そんな事、あるわけないじゃん」
「このままじゃ洗脳されちょうよ?」
「大丈夫だってば!千佳が思ってるほど悪い奴じゃないよ」
「あー…これだから美鈴はダメなんだよ。早くも洗脳されちゃってんじゃん」
「……」
「そもそも何?年上が素敵って言ってたのは何なの?高校生なんて子供過ぎてダメ―って言ってたじゃん」
「……」
「よりによって年下じゃん!!」
深くため息をつく千佳。
ため息をつきたいのはあたしの方だ。
友達思いなのはありがたい。
だけど、あまりの心配性の行き過ぎは正直、たまらない。
―――…
朝一を過ぎれば少し落ち着いて来る千佳。
他のクラスメイトと会話に弾む中、あたしは昼休み静まり返った屋上へと向かう。
多分、これも毎日の日課になってる。
ただ、気持ちを落ち着かせようと思って来たのがきっかけ。
相変わらずベンチで寝転んでいる颯の隣にあたしは腰を下ろす。
「…はよ」
あたしの存在に聞こえた颯はそう声を掛けてくる。
「おはよ」
だからこれもほぼ毎日の颯との一番初めに話す会話。