「あ、そだ。ちょい放課後付き合えよ」
「は?何で?」
「本屋行きてぇから」
「はぁ!?一人で行きなよ」
「お前なぁ、分ってっか?俺とお前は付き合ってんの」
「だから?」
「だからじゃねぇだろ。歩いてる所見せとかなきゃいけねぇだろうが」
「えっ!そこまでしなきゃいけないの?」
「あたりめーだろ」
「やだよ」
だって嫌だし。
だから思わずフイって顔を背けた。
「あー…わーった、わーった。なんか食わせてやるから」
「じゃ、ケーキ」
「は?」
「だからケーキだって」
「それ何処かで食うのかよ」
「当たり前じゃん」
「俺、無理」
「じゃ、行かないから」
フンっと再びそっぽを向いて立ち上がるあたしの腕を颯はグッと掴む。
その拍子にあたしに身体が傾き、後ろに倒れそうな感覚になる。