基本、屋上は皆寄りつかない。

だから人っけなんて何もなく静かな空間。


だけど、小さな小屋がある後ろをみると、


「やっぱ、居た」


ベンチに寝転がった颯が居た。


「あー…お前か」


ダルそうにそう言った言葉にカチンとくる。

女が面倒だっつーのは聞いたけど、あたしに対してそれはないでしょ!

ましてや、彼女役してんのに!


「お前って何よ!どんだけアンタは態度がデカイのよ!」

「悪い、悪い。ごめん美鈴ちゃん。で、どうした?」


ハハっと笑う颯は身体を起し、あたしを見上げる。


「ちょっと、聞きたい事がある」

「何?」

「だれがこんな噂流してんのよ」

「嘘だとしても他の奴らからすれば付き合ってると思ってんだから仕方ねぇじゃん」

「じゃ、なくて!凄い言われようなのよ!廊下歩いてても凄い見られてるし」

「見られてんのはいつもなんじゃねーの?」

「は?」

「ほらお前さ、綺麗なセンパーイって見られてんじゃん」

「ち、違うの!!そー言うんじゃないの!アンタの所為で、アンタの名前だけで見られてんの!どーしてくれんのよ」

「どーって、どうもする事できねぇじゃん」

「だから、誰が言ったのよ!!」


面倒くさいって表情がよく分る。

体育館裏で言ってた様に女は面倒って言ってた言葉がはっきし分る表情。