「そう!!そうなの!!普通ならあり得ないでしょ?見ず知らずのあたしが彼女役って冗談じゃないでしょ!!」

「……」

「あたし今、そう言う気分じゃないの!何もしらないのはアンタでしょ?」

「……」

「勝手にあたしを使わないで!!って言うか、今あたしは一人になりたい気分なの!!」

「……」

「振られたから一人でそっと――…」


勢いのあまり滑らせた言葉。

慌てて口を継ぐんだのも遅かった。


徐々に視線を上げると颯は顔色を一つも変えないであたしを見てた。


「へー…アンタでも振られる事あんだ」


平然さを保って、そう言われた言葉。


「アンタでも…って何?」

「3年D組、日浦美鈴。付き合う男は全て年上。そして別れるときは絶対自分から」

「は?何それ…」

「だから言ったじゃん。アンタでも振られる事あるんだって」

「誰がそんな事決めたのよ」

「誰って…誰だろ。そー言う噂飛んでんの知らねぇの?」

「知らないし。って言うかどうでもいい」

「やっぱ他には眼中ないって当たってんな」


クスクス笑うこの男が正直ウザい。

どこからどうあたしの名前を知ったのか、ありもしない噂を本気にしてんのか知らないけど、全部自分から別れを告げるって、どーなのよ。


現に今、振られたばかりのあたしが居るんだから!!