「だから言っただろ。女いるって」
…は?
軽く睨んでるのにも係わらず、颯と言われた男はまったくと言った感じで口を開く。
ってか、彼女って何ですか?
女いるって、何ですか?
それって、あたし?
何なの、この光景。
話しが読めないんだけど…
「何でこの女?あたしじゃダメなの?」
目付きをクッと変えた女はその表情であたしを見る。
って言うか睨まれてる意味が全く分んないんですけど。
「ごめん、だから付き合えん」
「颯ってさ、やっぱこーゆう女が好きな訳?」
「こーゆーって?」
「大人っぽいってゆーかさ、綺麗系?つか顔だけじゃん。こー言う女ってさ絶対性格悪いし」
フンっと、そっぽを向く女。
何で見ず知らずの女にここまで言われないといけないのか。
あったまにくるな、この女。
しかもここに連れて来たこの颯と言う男もだ。
さっき初めて知った男の名前。
カッコいい顔してんのに性格の最低さは確実。