目には、涙も浮かんできてるのに……。


「コ、ウ」


五十嵐くんは、綺麗な唇を動かした。


「ほら、言え」


もう……『ほら、言え』……じゃないよ。


こんなの、恥ずかしすぎて。


こんなの、ドキドキしすぎて。


もう、あたし……。


倒れちゃいそうなのに……。


「泣いても許してやらないって言っただろ?」


五十嵐くんはクスッと笑って、あたしの目尻に唇をあてた。