――ドキドキドキ……。 唇を離した後も、めちゃくちゃうるさい、あたしの心臓。 しちゃった、しちゃった。 あたし……。 自分から五十嵐くんに、キスをしちゃった!! 頬をギュッと押さえて、人生最大ともいえる恥ずかしさと戦っていると……。 「……ん? おかしいな」 そんな冷めた声が、頭の上から降ってきた。