「心優。
大丈夫だったか?」


「……へ?」


するりと緩んだ手と、あたしの名前を呼ぶ低い声。


それは……。


あたしがよく知ってる人の声で……。


「いいい……。
五十嵐……くん……」


“よかった……。
ゾンビというか……。
知らない男の人じゃなくて”


安心したせいで、足がくにゃっと折れ曲がり……。