走って逃げてるせいで、息切れするのをがんばってこらえながら……。


あたしは大声で五十嵐くんの名前を呼んだ。


「もぉ……。
あたしが大変なとき、助けてくれるんじゃなかったの!?
あたし、今、すっごく大変なんだよぉ――っ!!
助けてよぉ――っ!!
五十嵐くんっ!!!!!」


そんな……。


グチとも八つ当たりともとれるような、自分勝手なことを叫んだとき……。


「キャッ!!」


横からにゅっと腕が伸びてきて……。


「○+*‘@▼◇∵っ!?」


口をガバッと……押さえられた。