タオルで髪の毛をワシャワシャふきながら……。


あたしは、床にぺたりと座った。


そして、五十嵐くんが貸してくれたカーデを、ギュッと大事に抱きしめた。


「五十嵐くん……。
ありがとう……」


あたしのカーデよりも、ものすごく大きなカーデ。


だから、手のところを、くるくるっと折り曲げてくれていた。


小雨が降ったときは、制服を貸してくれて……。


今度は、カーデを貸してくれた。