その瞬間……。


「心優、貸せっ!!」


五十嵐くんは、あたしの手の中から、ケータイを取り上げた。


その慌てように……おかしくなって、くすくす笑いながら、あたしは言った。


「無理だよ、五十嵐くん」


「……は?」


「これがいくら夢の中だからって……。
かずくんが王子様に変身するとは、思えないもん」