びっくりしすぎて、なにも言えないあたしの横。


「それくらい……わかるだろ」


多少冷静さを取り戻したのか、お兄さんは小声で言った。


「アイツと違って、今、おまえは大事な時期なんだよ」


「…………」


「ドラマだって、映画だって、オファーがあって。
人気だって、うなぎのぼりのこの時期に。
彼女がいることがバレてみろ。
人気なんて、すぐに落ちる」


「…………」