「これは、そろそろ……。
旦那様と奥様にご報告したほうがよろしそうですね」


「……え?」


「興信所の手配もありますし」


「へ?」


「ご結婚となると、会場も……」


いつもは能面の顔を二マリと緩ませ、弥生さんは口元を手で押さえた。


「あら、わたくしとしたことが。
こんなにたくさん、立ち話をしてしまいましたわ」


「…………」