「…………」


無言であたしの顔を見つめる愛斗くん。


「……っ」


そんな愛斗くんの態度が気まずくて。


あたしは、ベンチから立ちあがった。


その瞬間……。


「橘さんとは、付き合ってないよ」


腕をクイッと引っ張られた。


「……へ?」


予期していなかった愛斗くんの動きに、体がグラリと揺れる。