“なんで、こんなところに、あたしを連れてきたの?”


そっちの方が、文句だよ。


“あたし、さっきの場所にいないと、煌に怒られちゃうの。
煌に心配かけちゃうの”


誰もいない迷路の中。


あたしの腕を引っ張って、先を急ぐかずくんの後頭部を見つめて……。


「かずくんっ」


と、あたしがかずくんの名前を呼んだとき、かずくんは足をぴたりと止めた。