罪悪感に苛まれた俺は、遂に悟りを開いた。

もう、このままでいいのかも知れない。

天使が傍にいてくれるだけで、この上ない幸せなのかも知れない。

そうだ、きっとそうなンだ…

俺は賢者になった。

なのに…


「景時、景時。
これを見よ。」


外から帰ってきたうさぎが、嬉しそうに小さな手の中にあったモノを見せた。


「エビカズラじゃ。」


「ん?
あ、山ぶどうね。」


俺が一粒つまもうとすると、うさぎはサっと手を隠す。

あれ?
くれねーの?

悪戯そうに微笑みながら山ぶどうを口に含んだうさぎは、俺の両肩に手をかけて‥‥‥


「…」


「甘いだろう?」


ハイ!
賢者死んだ!!

この人、大技出してきたよ。
ぶどうの口移ししてきたよ。

賢者の屍の中から、イフリートが誕生しちゃいましたYO!