「千鶴は絶対に俺を好きになるから」
っ、ふざけるな!
そう言って蹴り飛ばしたいくらいのセリフなのに、
真剣すぎるその綺麗な瞳に捕らわれてしまったあたしには、声を出すことすら出来なかった。
いや、唖然としていただけかもしれない。
でも、見とれてしまったと言っても嘘ではない。
「覚悟しとけよ?」
茶色掛かったその瞳はしっかりとあたしを捕らえていて、それはまるで獲物を捕まえた虎のようだった。
全てが整いすぎて、
意地悪気に笑う口元も様になっているのが憎らしかった。
「別に好きにならないしっ」
でも、何より憎らしかったのは、幼なじみといえども会ったばかりのコイツにドキドキしてる自分。
認めたくないけど。
あたしは気付いているのに、好きにならないと自分に言い聞かせることしかできなかった。