しかし、離れた勢いに負け、バランスを崩した。 咄嗟に土方が腕を掴むが、二人一緒に畳に倒れ、彼が妃絽を組み敷くような形になる。 そして、土方の下にいる妃絽は身体を丸め、顔を両手で覆っていた。 「もう嫌だ…。必要とされないならこっちに戻って来るんじゃなかった…」 指の隙間から涙が頬を伝っているのが見える。 「現代に戻って、家族に一緒に暮らそうって提案されて…、こっちか現代か選ぶ時、私は本当に悩んだ…」 「妃絽…」