妃絽が投げた靴は土方の頭に直撃する。



「てめぇっ…、何しやがる!」



「うっさい、ハゲ!そんなにキレなくても良いじゃん!このキレ方!」



「意味分かんねぇよ!」



「もういい!出て行く」



妃絽は投げた靴を拾うと、部屋を出ようとした。



「待てよ!」



土方は咄嗟に妃絽の手を掴み、引き止めた。



振り向いた彼女の顔に土方は目を見開いた。



何故なら、妃絽が泣いていたから。



「離せ…ッ!私は必要ないんだろ!だったら、出て行く!」



「落ち着け、妃絽!」



妃絽は土方の手を振り払った。