高校生になって、二度目の桜を見る。

今日から私は日比谷高校の二年生になる。

学校の校舎に入るとあちこちから、
「やった!うちらまた一緒のクラス!」
「うっわ!離れちゃったね~」
と嬉しそうな声や、がっかりしている声が聞こえてくる。


いいなあ。いいなあ。
私もそんな友達がほしいな。

だれかとだれかが楽しそうにしているのを見ると私は…


ドンッ

「いったぁ…ちょっと邪魔なんだけど」

「あっごめんなさいっ!」

怖そうな集団の女の子の一人にぶつかってしまった私は、反射的に頭を下げてその場から逃げてしまった。



こわいこわいこわい…

もう、あんな目には遭いたくない。

逃げたあとも、私は新しいクラスも見ずに走り続けた。