どこか懐かしい甘い香りに、縮めていた首を伸ばして深呼吸をひとつ。
この匂いなんだっけ、どこかで嗅いだことがある気がする。
甘い匂いこの空気の雰囲気、なんだっけ…
ぼぉっと甘い香りについて考えていると、冷え切った右手に、温かい何かが触れた。
驚いて「うわっ」と小さく声をあげると、隣でくすくすと小さな笑い声が聞こえて。
ぱっと顔を向けると、待ち合わせしていた相手が、私の冷たい手を握っていた。
大きな手は温かくて、服装を見ると、温かそうな上着を羽織っている。
…うん、まぁ、当たり前か。
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