「ねえ……。」



すると、そのしがみついていた物体が言葉を発した。



私の恐怖心は収まりはしない。

でも、頭がだんだんと物事を整理することができてきている。


私がしがみついているこの物体は、温かいし良い匂いがする。


そもそも幽霊なら触ることができているのだろうか



「…………にんげん…?」



怖くて震える声を我慢しながら、その物体が幽霊なのか人間なのか


私はたしかめた。