順は一回何か思いつめたようだったが、
すぐに気を取り戻して夏目の手を握って 遠くのベンチまで走った。

「…夏目…」

「な、に…?」

「なにじゃねぇだろ!何であんな奴等かばったの?夏目らしくねーよ!」

あの惨劇の後にこれ かよ!?

なんだか ジワジワ 涙が込み上げて来た。
「なにっいっとんじゃぁ!ホントの順は あんなじゃ無いはず でしょ!?優しくて おっとりしてる順でしょ!?」

涙だらけで自分が何言ってるか分からない。
「ったく。しょうがねぇなぁ。」

そう言い残して順は どこかへ行ってしまった。

「はぁ~」

きっと呆られてしまっただろう。

冷やっ…

何か冷たい物が頬に 当たった。