「取りあえず、ほかの場所にも行ってみようか」
獅蛇が部屋を出て行ったが、どこに居るか分からないため二人で行動しようと決めた十六夜。だが十夜が怖がっていてなかなか前に進めない
「十夜、そんなに力入れないで…」
「でっ、でも!」
「掴まっててもいいからそんなに力入れないで…」
十六夜の身体に手を回して抱き着いていたのだがそう言われて涙目になりながら十六夜の腕に抱き着いた
…これでも妥協したほうだ
「ここは何かしら?」
十六夜が戸を開けるとそこは台所のようで包丁やら釜などがあったが埃をかぶっていてここは使われていないようだった
「使われてない…やっぱり誰も居ないんだ~」
安心した十夜は離れて笑ったが十六夜は安心していなかった
「でもおかしい…筆が使われててここは使われてないようだし…普通なら筆より食材の方が大切」
その言葉に十夜は素早く腕にしがみ着いた