「「幽霊?」」



天堂と十六夜がすっとんきょうな声をあげたのは珍しく獅蛇が来て楽しく話をしている時だった




「……はぃ」



十夜が俯いて震えて小さな声で返事をすると獅蛇が腹を抱えて笑い、十夜は真っ赤な顔で憤慨した



「わ、笑うんじゃねぇ!」



「あははっ、本当かよ!情けねぇなぁ……つうか幽霊なんて居んのか、どこに行けば会えんだよ?」



「居るに決まってる、見たんだよ!…たまたま近くに屋敷があって見てたら門の前にすぅー、と透けてるのが!…動けなくてずっと見てたら奇妙な声をあげたんだ…『呪ってやる、呪ってやる…』って」



獅蛇は興味なさそうにあくびしながら寝転がり十六夜は十夜に聞いた



「いつのこと?」


「一昨日です…心配かけるから言わないでおこうと思ったんですけど…総大将、何とかして下さいよ!昨日からずっと声が……あ"ー、聞こえる!」



頭を抱えて突っ伏した十夜に天堂は苦笑いして十夜の肩を叩いた