本家へと帰ったが桜李は十六夜を譲らず、天堂は十六夜の腕を掴んで引き寄せようとしていた



「お前さっきからずっと一緒だっただろうがっ、ワシの番じゃ!」



「ごめんね、あなた…今日は桜ちゃんの日なの」


それを聞いた桜李は勝ち誇ったように笑い、天堂は悔しそうにしていた



「じゃあな、親父」


「十六夜ー!」



桜李は十六夜を連れていき、天堂は項垂れていた。日頃の感謝の気持ちを真正面から伝えるのは恥ずかしかったが清々しかった



人間の習慣もたまにはいいな、と思った桜李であった









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「ごめんね?」


「…」


次の日、十六夜の膝枕で縁側に寝転んでいる天堂。だが昨日のことで不貞腐れておりいくら呼んでもそっぽを向いたまま。気を向けようと思って頬をつんつんしたり頭を撫でても横を向いたまま