ふと妖気を感じた天堂はその方へと下り立った



そこは一面たんぽぽや草木がたくさん咲いている野原で川も流れていて綺麗な場所だった




「この辺から感じるが……」


十六夜を抱っこしてしばらくうろうろ歩いているとあの狐が茂みから現れた



「おっ、てめぇか?十六夜をこんな姿にしたのは」



「ヒッヒッヒ、悪くないじゃないか。」


「確かにかわいいが…困るんだよ、早く戻してくれ」



「じゃあ、遊んでよ…」



そう言った狐が悲しそうな顔をしたため十六夜は何があったか聞くと、この狐には一匹友達がいたがずっと姿を消してしまっていてひとりぼっちになってしまったらしく、寂しさを紛らわすためいたずらをしていたのだ



「友達はどんな子?」


「白狐の女の子なんだ……毛並みも綺麗で気持ちよくて…ずっと一緒に居たのに一月前から居なくなったんだ」



耳と尻尾をしゅん、と垂らして反省している様子なため二人は気の毒になり、探すのに協力することにした