「何…?」


「頭と身体洗うんだよ」


抵抗は諦めたがそれはさすがに恥ずかしい


「自分でする…っ」


「ワシに任せろって」


「や~っ」




風呂場で賑やかにそんなやり取りをしていると桜李が百鬼夜行から帰って来た


百鬼は既に眠っている。自室に入ろうとした桜李は風呂場の雰囲気に気づき、額に手を当て溜め息を吐いた



「何してんだよ……」




取りあえず床についた二人。十六夜は小さくなってるため体力があまり無い。寝転がるとすぐにいつもより小さい寝息が聞こえてきた


「可愛いな…」


微笑みながら頬をつんつんすると、むにゃむにゃして天堂の胸にしがみついてきた


小さくなってるから余計可愛いく見えた天堂は十六夜を抱き込んですぐに眠りについた







「親父、お袋が可哀想だ」


朝、起きて二人で狐を探しに行こうと庭に行くと桜李が呆れたように言う


「何が」


「何がじゃねえよ…風呂…」


「気にすんな、大丈夫じゃ」



そう言い残して天堂は真っ赤になった十六夜を抱き上げて飛び上がった







「何が大丈夫なんだよ…」