それを悟られないように取り繕いで質問した


「あんた…名前は?……俺を知ってて近づいたのか……」


暴走族で知られているため女が集まってくる


遊ぶだけ遊んで別れるがうんざりしていた


だからこの女も地位目当てか、と思った


だが心のどこかでは違っていて欲しい、と願った



「あなたとは初対面ですよ?それに死にそうな時にそんな理由で近づかないでしょう?」


呆れたように笑った女


よかった……




罪悪感でいっぱいになった。たぶんそれはこの女もほかと同じと決めつけたから…


「……」



「もし本気で想う女の子が出来たときにどうなるか…時間が経てば許してくれるかもしれない、でも傷つかないわけじゃない。それどころか一生傷つくことになる。……許すことと傷つくのは別だから」




女の話が胸に沁みてきた。こんな綺麗な心を持った女をほかと同じだなんて、失礼だよな



それからいろんな話を聞いてもらったら安心して眠っていた








――眠らなければよかった