「獅蛇様……」



「…ん?」


宵美に呼ばれたが獅蛇は宵美を見ようとはせず、開いた障子窓の外を見ていた



「見捨てないでください…」






「――見捨てねえっつうの」




「よかっ……約束、です、ょ………」


小さくなる声に、宵美を見ると獅蛇の黒い羽織を掴んで眠っていた



獅蛇の返事に安心したようにぐっすりと眠っている


獅蛇は頭を撫でて立ち上がろうとしたが羽織をギュッと掴んで離さないためそのまま座っておいた