「悪いな、これは任務でも何でもない。その手紙を届けろってのは嘘だ」


「えっ……」


「――お前の度胸、根性試しだな」


「……何でそんなこと」


「アタシが連れてきたがまだお前は子どもだ。お前に根性がなければここに置いてはおけねーからな」


「……ぼくは、なにも…できなかった」



それを聞きながら煙管を咬んで煙を吸い込み、吐き出す



「力とか強さってのは成長して修行すればついてくるからな…だから今は仕方ねーよ。だが精神的なものは難しいだろ?」



「……蠍とか百足は」



「あぁ、あれな。アタシの命令だ。だからそんなに襲ってこなかったろ?……本当に鬼が現れるとは思わなかったけどな」



蠍と百足は獅蛇が宵美の度胸試しに仕向けたものだった


それに対して宵美がどうするかを知りたかったのだ



まさか本当に鬼が現れて殺されかけてるとは思わなかったが……