宵美が出発するころ獅蛇は居なかった


大事な手紙が入っている封を懐に落とさないように入れ、洞窟を出た



――その頃、獅蛇は



「邪魔するよー」


本家に来ていた



朝だというのに琉威たちが来ていて獅蛇は笑った



「お前ら暇なんだな」



そう言いながら獅蛇は十六夜の傍に来た


「どうしたの?……宵美は?」



「ん?…ちょっといいか」


十六夜を大広間から連れ出した