十六夜が天堂の頭をずっと撫でていると寝息が聞こえてきたため下を見ると、天堂は気持ちのよさそうな顔をして寝ていた



疲れているため起きるまでこうしていようと思い、ずっと頭を撫でていた





――………



もう夕暮れ。気づくと十六夜も一緒に柱に凭れて寝ていたようだ



天堂も少し遅れて目を覚ました




「悪ぃな、足」


長い間、同じ姿勢で頭を預けていたため十六夜の足を労ってやる



「ううん、私も寝てたみたい」


笑って伸びをする


天堂が十六夜の肩を抱くと影狼がとことことやって来て二人の周りを走り回る


二人で遊んでやると満足して池の鯉と戯れる


尻尾をちぎれそうなくらい激しく振り回し、小さい前足で池の水をはね飛ばす


鯉も尾で水をぱしゃぱしゃすると影狼は
身体をぶるぶるさせて水を払う



鯉はいい遊び相手に退屈は無くなっていた