「紗枝、朝ご飯もういいの?」

お母さんは心配そうに聞く。

「うん、もう大丈夫」

私はつくり笑いを浮かべながら言った。

学校・・・、行きたくないなあ。

「お母さん、今日がっ・・・」

「勉強はどうなの?」

わざとのように、話をかぶせてきた。

あーあ、ほんとタイミング悪すぎ。

「大丈夫だよ」

サラッと言うと、

「来週テスト週間なんでしょう?お母さんに恥かかせないようにしてね」

お母さんは、PTAの副会長。昔からそういうのばっかりやってる。

そのせいで私は成績が良くなければいっつも怒られる。

「分かってる」

私は逃げるようにしてリビングを後にした。