それでも、仲間は置いていかない。
本当に優しいんだろうな。


「かっこいい………」


「えっ?」


「え。」


ちょっとやだ!
もしかして口に出してたかな…


キョトン顔の北澤を見て
私は確信した。


確実に口に出していた…はあ



「お。梨恵ちゃん!ひろしを
かっこいいとは通だね!」



「え。いや、そういうわけじゃ」


恥ずかしいっ。
なんで、こんな事言っちゃたんだろ


自分でも顔が赤くなっているのが
分かったので手で顔を覆った


でも、目線はやっぱりあの先輩


やっと三周を走り終えた
荒川君に、笑顔でお疲れ様という

あまりにも笑顔が眩しく見える。


いきなり、どうしちゃったんだろ


徳井さんみたいなイケメンでも
ないしさ……もしかしてB線だった?



「千里先輩〜荒川くんは、
なにがすごいんですか?」


はっ!
そうそう、さっきから荒川くん
いいとこ見せてない。


「今日はもうやらないかな〜
ボールがすごい飛ぶの!
もう部内で一番争ってるんだよ。


未来のキャッチャーね!」



「へえ。」


そんなに飛ぶんだ!
なんか、見たかったなあ……


あの先輩がキャッチボール
してるところ見たかったし。


あの先輩もキャッチャーかな