「ってか、北澤へーき?」


「……さえの理想があ。」



千里先輩も他の先輩達も
北澤を申し訳なさそうに
見る。


「紗子ちゃん………?
俺がいるからさ、元気だせ。」



徳井さんの言葉に
ふっと顔をあげる北澤


「……うう。もう、全然
イケメンも何も感じない〜!
ただの変な人〜!」



「なんでだよ!
俺に、変な要素なんかない!
完璧だ!」


もうみんな大爆笑。
私も面白くて笑っちゃった。


だって、徳井さんの
変なナルシストさがすごい。
それにツッコミをいれる
部員さんも面白いし


みんな仲がいいのかな〜



「そこまで、徳井に面と向かって
いう後輩は女の子で
紗子ちゃんが初めてだよ。」



「本当ね。よし、はい!
みんな練習の時間だよ〜っ」


千里先輩が声を掛けると
みんなが持ち場に戻っていった。


「ま、徳井の事は、
残念だけど本当に仲良くて
いい部活だからよかったらね?」


はい。とだけ、返事したけど
実際まだ吹奏楽の方に
心が向いていた。