「早く早く〜!」
「ちょっと、北澤!
そんなに走らなくても
野球部は逃げないよー?」
「だってだって、あんなに
イケメンのキャプテンが
いるんだよ?マネージャーの
競争率激しそうじゃんっ」
いやいや。そんなんだったら
すでに最終日なんだから
いっぱいでしょ。
それに、今だってマネージャーに
困ってるわけないよね。
ま…確かに、あんなイケメンが
いてどうしてマネージャー
いないのかな…
「はあっ。ついた。」
二人して、軽く髪の毛を
整えるとマネージャーらしき
先輩の元へ向かった。
「あ、あの。」
「………ん。もしかして
マネージャー希望?」
ショートヘアーがよく似合う
姉御肌ぽい先輩
「はい。」
「こっちこっち♪
マネージャーの仕事体験してみる?」
北澤がきらきら笑顔で
頷いた。
「今からスポーツドリンク
用意するんだけど。この粉
いれてくれるかな。」
やっぱり、マネージャーって
雑用なんだよね。
「そしたら、これ持って
私についてきてね。
えっと名前は………」
「あ。赤井梨恵です。」
「北澤紗子です。」
「りょうかい!
私は高部千里!よろしくね!」
千里先輩に、ついていきながら
北澤はやたらと話を聞く。
話題はもちろん。