すると、そこまでは黙って見ていた
未玖が、私も手を掴んで廊下に連れ出した。

「桃、大丈夫?」

私は、未玖のその一言に一気に涙腺が緩んで
泣き出してしまった。

「よしよし。つらかったよね。
 ごめんね?すぐに、連れ出せなくて」

「ううん、私こそ、泣いちゃってごめん。
 やっぱ、好きじゃないって言われたらつらくて」

「気にしなくていいよ。だって、皆いたじゃん?
 あんなに、大勢の前でなんて、桃だって言えないでしょ?」

「うん、そうだよね」

「そうだよ!ポジティブに考えなきゃ!」

「ありがとう、未玖。」