こうして、始まったのはいいんだけどなぁ
何を話したら、いいもんだか。

何か、ずっとグラウンドばっかり見てるし。
でも、周りに話せる人いないとつまらないし。
うん!やっぱり、ここは話しかけるべきだよね!

「ねぇ、私、立花桃って言うの。よろしくね!」

「・・・おぅ」

返事は...してくれるんだ。
何か、いいな。

「早速だけど、湊徹平くん!」

「なんだよ、ってか何でフルネーム?徹平でいいし。」

「あ、うん。じゃあ、徹平...くん。」

「だから、徹平でいいって」

「何か、慣れてなくてさ」

「変な奴」

そう言うと、徹平くんはクスッと笑った。
あ、笑った顔、初めて見たかも。


   きゅん


なんだか、私の心臓がそう音を立てたみたいだった。


「じゃあ、私は桃って呼んで!」

「あー、分かった。」

案外...話しやすいじゃん。
女嫌いなんて、嘘じゃないかと思うくらい。

その後、私たちはアドレスを交換したて、
家に帰ってから、ずっとメールしていた。

内容は、本当に当たり前で、普通のこと。
好きな食べ物とか、誕生日とか。
当たり前のことを知っただけだけど、なんだかすごく
うれしくて、心がぽかぽかってなった。
この気持ちって、やっぱり好きって気持ちなのかな?

そう、かもしれない。
でも、今まで恋なんてしなかったから分からない。
今まで、気になる、までの気持ちはあったかもしれないけど
よく...分からないな。