「おめでとう」


黙っていたシロさんはそう言い、柔らかく笑う。


「うん。ありがとう」


「で、アルが妊娠したのいつ分かったかっていうとな…」


ジルがもったいぶるように、いったん区切る。


「昨日なんだよ。しかも6ヶ月だって」


「マジでか!!?」


「嘘ぉ!!?」


私はアルを見る。


妊娠6ヶ月といえば、割と「あ、このヒト妊娠してるな」って分かる、って何かで読んだことがあったような気がしたんだけど。


個人差もあるのだろうか。


本当によく見ないと分からない。


彼女が着ているゆるい服のせいかもしれないが、お腹がそんなに大きくなっているとは気づきにくい。


パッと見、食べ過ぎてお腹が出ている感じだ。


「フツーは、つわりが一番ひどい時に妊娠疑うらしいんだけどさー」


ジルがチラリとアルを見て、ふはっと笑う。


「こいつ体重増えだしてから、おかしいおかしいっつってなー」


病院行って検査したんだとよ、とジルが笑いながら言う。


そういえば、健康診断の時にも聞いたような気がする。


「つわりの時は、だってさ、任務とか色々あったし……」


「だからってゲロ吐きながら銃撃つなや。タマこっち飛ばんかいなとか、ヒヤヒヤしたわ。まぁ、ある意味すごかったけどな」


ヨースケが腕を組みながら言い、苦笑する。


――マジかアル


スゲエ。