「私事ですが、この度アルは妊娠しました!」


気を取り直して、アルが照れくさそうに言い切り、ジルと目を合わす。


シロさんはキョトンとしていて、まだ理解してないようだ。


「え、えぇぇうぇ!!?妊娠したの!!?」


「うおホンマか!!!おめでとさんやな!!!」


私とヨースケの声で、さっきまで静かだった病室が一気ににぎやかになる。


「うわ、お前やることはちゃっかりやっとるんやなー。流石良いトコ取り」


ヨースケがニヤニヤしながらジルに言う。


「うっさいわ!俺らの愛が実っただけだ!」


「くっさー。お前それはクサすぎるで、ジル」


大きく鼻をつまむジェスチャーを大きくして、笑い転げる。


「…ヨースケ酔ってんの?」


アルが心配そうに言うほど。


「それより名前は?もう決めてあるの?あ、性別は?ってかいつ分かったの!!?わぁ、じっくり見たらお腹おっきい!!!」


「親戚のオバはんか」


私が一人はしゃいでいると、まさかのヨースケのツッコミが入る。


はた、と気づいて周りを見ると、アルとシロさんがキョトンと私を見ていたので、思わず俯く。


やばい顔から火が出そう。


ジルとヨースケはこの状況下にある私を見て笑っていた。