そんなシロさんが病気だということを知っても尚、私はお構いなしというように、彼に今まで通り剣術を教えてもらったりする。
要するに、暇さえあれば私は彼の病室に遊びに行ったり、トレーニングルームに連れだしたりしたのだ。
その為、私が彼の病室に入ると「また来た」という顔をされるが。
それが日常になると、そんなことは気にならなくなる。
慣れって怖いな。
なんて思ったりした。
彼は私を一戦士としか見てないが、あんな拍子抜けするような私の告白を聞いても、今まで通り接してくれる。
それがたまらなく嬉しかった。
そんなことを繰り返して、はや2ヶ月が過ぎようとしていた。
そろそろ8月になるという、なんとも熱い7月26日。
私は今日もシロさんの病室に遊びに来ていた。
といっても、これと言って話すこともないし、剣術やらは午前中に教わって特にすることがない私は、ここで読書をする。
今日のシロさんは、絵を描いている。
因みに先一昨日は、ソンジュさんの仕事を手伝っていた。
だけどそれが終わると、暇を持て余していた。
病気にならなかった時は、この間ずっと任務に行ってるかトレーニングルームに籠るか、の選択肢しかなかったから。
今までそれでやってきたのに、それが出来ないとなると、どうすればいいのか分からないらしい。
Aliceのあまり行ったことのない場所に行こうとしたが、医者に止められたし。
日向ぼっこをしていれば、いきなり雨が降ってきて、びしょ濡れで帰ったら看護師に怒られたし。
因みにこの二つの原案はヨースケだ。
そして彼もその場にいたらしい。
極めつけには昨日、ヨースケ発案の全力で鬼ごっこをして倒れたらしい。
小さい時からヨースケは、暇なときに遊びを見つける名人だったが、いつも何かしらのリスクがあったという。
その話を聞いた時、私は笑いを堪えるのが大変だった。
大変な思い出は後になると、笑い話になるって本当だったんだ。
なんてこっそり思ったのは秘密だ。