俊さんに抱かれながら、このベッドでは何人が愛を囁き合ったのだろう、なんて考え始め、すぐに考えを改める。
 愛し合っている二人は、こんな寂れた汚いホテルなんて選ばない。不倫でも選ばないのではないだろうか。

 このホテルを利用するのは、おそらく……お金で買われた女の子。
 俊さんにとって私は、この程度の価値でしかないと、痛いほど感じさせられる。

 俊さんが私の上に欲望を吐き出し、息を整えている間、私は途方のない虚しさを感じる。
 私が求めた関係のはずなのに……これは本当に、私が欲した形なのだろうか。