あまり綺麗とは言えない部屋の中には、大きなベッドと遠慮がちに置かれた小さなテーブルしかない。

「シャワー、する?」
「いや、いい」

 俊さんは毎回同じことを聞く。私の答えは分かっているはずなのに。
 私の返事を聞いた俊さんは、優しくベッドへ私を誘った。

 優しさなんていらない。すぐに壊れてしまうような、脆い関係なのだから。