「いらっしゃいませ〜……あ、柳さんっ!」 この喫茶店に通い初めてから顔見知りになった、笑顔の可愛らしい店員の女性が、私に気付いて声を掛けてくる。 「佳代ちゃん、アイスティーちょうだい」 注文しながら、空いた席に座る。持参していた単行本を開き、読み流していると、佳代ちゃんがアイスティーを持って席に来た。 「お待たせしました〜。柳さん、浮かない顔してますけど、大丈夫ですか?」