前回のバイトの時、俊さんとチーフが話していた。俊さんの奥さん、予定日が近くなってきたって。
 それは暗に、私達の関係が終わりに近付いていることを示唆していた。

 次回の「愛人の日」くらいが、俊さんに抱かれる最後なのかも知れない。そんな私の予感は、残念なことに正しいものとなる。

 終焉へのカウントダウンが始まっているとも知らず、私の日常は変わらず過ぎていき、迎えるのはもう何度目になるのか「愛人の日」だった。