ねぇ、どうして、何も言ってくれなかったの?

あたし、そんなに面倒臭い女だった?

昇ちゃんにとって迷惑でしかなかった?


あたしは、昇ちゃんの傍にいるだけで楽しくて苦しくて、幸せだった。昇ちゃんに、好きになってもらいたかった。

もう、無理なんだよね。


「触んな」なんて、言っちゃった。昇ちゃん、怒ったかな。嫌いになったかな。

脱力系の昇ちゃんも、さすがにこれは振るかな?

……ダメだ。何だか情けなくて、笑けてきた。

昇ちゃんが振らなくたって、昇ちゃんにとってあたしが面倒臭い女でしかない事は、もう十分解った。


昇ちゃんが何も言わないなら、あたし、きっと甘えてしまう。だから、甘えてしまう前にちゃんとお別れ、言わなきゃ。


あたし達、もうダメなんだね、って。