-ドキドキ…-



おさまらない。身体が疼く。なんつーか……モロ好みだった。

女なんか全部一緒だと思ってた筈なのに。どんなナイスバディ見てもときめいた事なんか今までなかったのに………。



アイツを抱き締めたい。触れてみたいと思ってる自分がいる。



「有り得ねぇ……」




なんか盗み見て罪悪感。イライラしながらブラインドを閉めようと手を伸ばす。チラッと見ると……グレーのスウェット。



「色気ねぇ!探してたのってそれかよ!」



思わず声出して突っ込む。
振り返った時にはあの分厚い眼鏡…ダメだ、これは悪い夢だ。忘れよう……。




ブラインドを閉めて部屋の電気をつける。



「寒………」



せっかくシャワーで温まったのに、すっかり身体が冷えてしまっていた。



-RRRR♪-



携帯が鳴る。真崎だ。


「なんだよ」



つい不機嫌になる。



「なんだよじゃねーよ。約束の時間過ぎてんだけど。今どこだよ」



時計を見ると七時五分……。



「あ~………今?うち」
「うち~!?早く来いって」
「あ~?うるせぇな……もう切るから」
「おいこら…」


返事も聞かず、電話を切って携帯を放り投げる。



-うっせーな。分かってんだよ-



取りあえず黒いシャツにジーンズ。………寒い。



-風邪か!?つうかアイツのせいだ!変なもん見せるから…-



ジャケットを羽織る。頭が濡れたままなのも忘れて家を出る。


S女か…可愛い娘なんか世の中に五万といる筈。何もアイツじゃなくても良い訳だ。忘れろ。早く忘れろ-……