「宇宙の星々よ、我に力を与え、この者の未来を示したまえ…。」
宇宙は静かに呪文を唱えた。
そして、占いが終了したのか、目を開いてから私に微笑みかけた。
「ま、大体皆同じなんだよね。世界を救う運命からは嫌でも逃げられない。けれど瑞生の場合は…うん。綺斗に色々教えてもらうと良い。綺斗なら頼りになるし…まぁ、この前見た双子ちゃんよりはマシだね。双子ちゃんの妹の方はまだしも、姉の未来にはビックリ…」
その後も、宇宙は色々と話していたが、あまり聞いていなかった。
そんな事より、綺斗と一緒にと言う所が気になった。
ーーーいつまでも一緒と言う訳じゃないのに…
何故だろう、気持ちが暴れる。
その暴れる気持ちを、初めて異性に物事を説明してもらったり、もしくは、倒れて目覚めた時の寝起き顔を異性に見られた事か、未だに尾を引いていると勘違いをしているというのは、本人の
気付くよしもなかった。
「ま、綺斗は氷が暴走しない様に見てて。まぁ、もう大丈夫だと思うけど…。とりあえず、頑張ってね、綺斗。」
「?あぁ。ありがとう、宇宙。」
そして綺斗がゆっくりと瑞生に向き直り、微笑んだ。
「分からない事は、何でも聞け。私は帝の側近の様なものだ。答えられる範囲でなら、出来るだけ答える。これからもよろしく、瑞生。」
名前で呼ばれ、多少赤面するが差し出された手に、自分の手を重ね、綺斗と握手を交わしながら、瑞生も挨拶をする。
「まだわかんない事だらけだけど…よろしくね、綺斗!」